 
				インフルエンザワクチンにおいては、常に次のシーズンの流行ウィルスを的確に予想し、この流行予測に基づいてワクチンを選択していかねばなりません。最近では、WHOを中心に地球レベルでのウィルス監視活動が行われているため、「予想が外れてワクチンが効かなかった」という事態はほとんど起こっていません。
				一般にワクチンによって得られる免疫は時間とともに低下していきます。インフルエンザワクチンによる有効な防御免疫の持続期間は短いので、毎年シーズン前に接種を繰り返す必要があります。大体インフルエンザシーズンの1カ月前くらいである11月頃を中心に接種することが勧められています。
				最近の論文では、成人の場合、1回接種だと予防効果が64%、2回接種だと94%とされています。つまり、1回接種でも効果は見込めますが、2回接種することにより十分な抗体が作られる可能性が94%に増えるということです。
				13歳未満の子供は、インフルエンザに対する免疫力が少ない可能性が高く、2回受けることが必要です。また、受験生やどうしても仕事を休めない職業の方、喘息など気管支に持病のある方も、やはり2回接種をお勧めしています。
				インフルエンザワクチンは接種してから実際に効果を発揮するまでに約2週間かかります。2回接種する場合、2回目は1回目から2~4週間あけて接種します。流行期間が12~3月ですから、11月中旬頃までには接種を終えておくとより効果的でしょう。また、流行してからの接種であっても、発症時の症状が軽くなる場合が多く、接種をお勧めしています。